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【無人島74日目】Damien Rice "9" [CD]

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  • アーティスト: Damien Rice
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 2006/11/14
  • メディア: CD


74日目。オシャレだったり楽しかったりする音楽も大好きですが、ホントのところボクは根っからダークなヒトなので、聴く音楽もちょっとマイナー系で、自傷的な音楽が好きです。その手の音楽は、部屋の電気を消して、デッカいヘッドフォンつけて、膝を抱えながら聴く。山崎ハコとか。「コ〜ンコ〜ンコ〜ン〜釘を〜刺す〜」。ウソ。それは聴かない。でも、この人のアルバムは、本当にそういう風にして聴きたいです。深くて真っ暗な夜の底で、ひとりぼっちの時間に聴くのにピッタリのアルバムを紹介しましょう。そんなのいらない? またまた。好きなくせに〜。

ダミアン・ライス。73年ダブリン生まれのシンガーソングライターです。01年にシングル「The Blower's Daughter」を自主制作でリリースし、アイルランドではトップ20にランクインされるヒットに。02年にファースト・アルバム「O」をリリースするやいなや、クリティックスから高い評価を受け、アイルランドでプラチナム、UKでゴールド・アルバムを獲得しました。

翌年その人気はアメリカにも飛び火し、実力のある新人に贈られるアメリカの「Shortlist Awards」を受賞。04年に公開されたジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ主演の映画「クローサー」の主題歌として「The Blower's Daughter」が起用されるなど、じわじわとその人気を確立しつつある注目株です。

今月待望のセカンド・アルバム「9」が、日本でドロップされました。ヨーロッパでは昨年末にリリースされたこのアルバムは、UK初登場4位、アイルランド1位、US22位と絶好調。セールス的には、もうマイナーとは呼べませんな。

以前の無人島で、前作「O」もレビューしましたが、その時は彼の歌を「暗く厳しく寡黙かつ詩的」と書きました。でも今回の「9」は、痛い。暗いとか渋いとかじゃなくて、えぐるような痛みを孕んでいます。内省と諦念。後悔と自責。大切ななにかを失った時に、自傷を繰り返すことでその喪失を補うような、救いようのない魂の叫びを切々を歌い続けています。アプローチは全く違うけど、日本人でいうと、タテタカコの歌の世界にも近いです。

例えばこの「Elephant」という曲。このアルバムに収録するまでは「The Blower's Daughter Part.2」というタイトルで歌っていたという曲ですが、実に秀逸。ちなみにこのYouTubeのPVは、よくできていますがオリジナルではなく、ダミアン君の映像をつなぎ合わせて、ファンが作った代物です。



囁くような歌い出しから、サビに向かって泣き叫ぶようなファルセットへ移行するまでの、心の昂りが目に見えるような、表情のあるボーカリング。弦楽器でまとめたシンプルな前半と、オーケストラを使った厚みのある後半のアレンジの対比。そして、涙が出るほどに美しくも切ないメロディライン。アイルランドの凍えた大地すら連想させる、本領発揮な1曲です。

山崎ハコにしろ、タテタカコにしろ、このダミアンにしろ、上質なマイナーソングには、暗ければ暗いほど、それとと同じくらいの美しさと救いが、必ず備わっている気がします。だからこそボクたちは、孤独な時間にこそ、ダークな曲を求めてしまうのです。え? 求めてないって? またまた。好きなくせに〜。コ〜ンコ〜ンコ〜ン。


タグ:2007年
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コメント 2

まえ

ども!
CDありがと~。(いまさら)
八節満載なアルバムの中で、今日この曲にはまっちゃってます。

歌詞分かんないけど、これ読んで何だか納得。
つーのも、愛車と明日でお別れ。
いろんな思いと、この曲がぴったり。

改めてありがとう。
今年もよろしく!(いまさら)

P,S 絵、いいっす。今度、焚き火やろ~
by まえ (2008-01-24 00:53) 

ハチ

>まえちゃん
うん。この曲ボクもスゴく好きです。
たぶん、去年一番繰り返して聴いたかも。
やっぱまえちゃんとは音楽の趣味が合いますな。
今度焚き火やろうや。
by ハチ (2008-02-01 13:25) 

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