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【無人島169日目】牧野竜太郎 "RM" [CD]

RM

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  • アーティスト: 牧野竜太郎
  • 出版社/メーカー: JAZZZ
  • 発売日: 2008/07/02
  • メディア: CD

169日目。ボクには、身近な人の作品や仕事などを「過小評価」してしまう悪いクセがあります。だって一緒に酒呑んでバカ騒ぎして、隣の席で鼻の穴に割り箸突っ込んでたようなやつが、素面の時には実はこんなモノ作ってるんです、って見せられても、割り箸野郎がなに言ってやがる!とか思っちゃう。作品は作品、それ自体を正当に評価すべきだし、作者の人格や普段の顔は関係ない、ってことは分かってるんですけどね。近しければ近しいほど、その人のいろいろな顔を知っているし、作品と作者を切り分けて見れなくなってしまう。だから逆に、よく知っている相手の作ったモノが、賭け値なしに素晴らしかったりすると、ホントにビックリします。


牧野竜太郎。鎌倉生まれのジャズシンガー。現在28歳。今年7月にファースト・アルバム『RM』でデビューしたばかりの新星です。家業がジャズクラブで、学生時代をアメリカで過ごし、ニューヨークでジャズボーカルを学び、帰国してからは実家のジャズクラブの店長をしながら、自分でもステージに立っていたという、ジャズの申し子的なキャリアの持ち主。しかもハンサム。むー。なんかズルい。

実はボク、この牧野氏とはちょっとだけ面識があります。一緒に呑んだこともあります。ちなみに彼はものスゴい二枚目なので、鼻の穴に割り箸突っ込んだりはしてません。尻の穴でした(←嘘です)。

歌を生業にしてることは知ってたし、CDが出たこともご本人から伺っておったのですが、こんな二枚目が作る音楽がそうそういいはずがねえだろうという僻みに近い偏見もあり、なかなか聴く機会がなかったのです。最近になり、ようやくアルバムを拝聴。す、素晴らしいじゃねえか、割り箸野郎(←冗談)。滑らかなスウェードを連想させるハイトーンな声質。伸びがあってムラのない発声。派手さはありませんが、すっと耳を傾けたくなるコンフィデンシャル感のある声です。

アルバムは、シナトラの『Day By Day』やエルトン・ジョンの『Your Song』など、英語のスタンダードやカバー曲が中心ですが、さすがの発音で安心して聴かせてくれます。ご自分で書き下ろしたオリジナルも4曲入っていて、これがまたスタンダードにまったく遜色のない楽曲で、むしろ全曲オリジナルでやってもよかったのでは?と思うほどのクオリティ。

英語の曲も良かったのですが、ボク的には徳永英明の『君の青』のカバーで失禁しそうになりました。ギリギリに感情を抑止したイノセントなボーカリングは、この歌の持つ「どうしようもなさ」を見事に表現しているし、本家のバージョンよりも遥かに素晴らしいです。

とても近しい間柄というワケではありませんが、見知った人がこんなスゴいモンを作っていたのかと思うと、スゴくうれしいような、なにやら騙されていたような、不思議な気分になりました。今度一緒に呑む機会があったら、変に緊張してしまいそうだ。少なくともケツに割り箸突っ込むのはやめときます(←自爆)。


■牧野竜太郎オフィシャルサイト
http://www.jazz-r.com/


タグ:2008年
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