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【無人島184日目】Utada "This Is The One" [CD]

This Is the One

This Is the One

  • アーティスト:Utada
  • 出版社/メーカー: Island
  • 発売日: 2009/05/12
  • メディア: CD

184日目。基本的にこのブログでは、どちらかというとあんま売れていない、ちょっとマイナー路線の作品を取り上げて、読んでいただいているみなさんに「知らんかったけど、面白そうだから聴いてみたらよかったぜ!」などと思っていただければ、この上なく幸いだと存じております。バリバリ売れてる作品とかは、別にワシじゃなくてもたくさんの人がいろいろな場で語るだろうし、プロのクリティックにワシの駄文が敵うワケもないので、そういうのはそういう人に任せておけばいいだろうと思うのです。でもたまーに、こういう大物がこういうおもろいモノをリリースしたりすると、どうにもこうにもウズウズして、一言物申したくなるお年頃(もうすぐ四十路)なのでございます。

国民的天才音楽家・宇多田ヒカルちゃんが、全米向けの別名「Utada」として制作したセカンド・アルバム『This Is The One』が先週末リリースされました(ちなみに全米での発売は5月です)。リードシングルとなった『Come Back To Me』が、1月くらいからラジオやインターネットでじゃんじゃん流れていて、そのなんとも宇多田ヒカルらしいような、まったくそうでないような曲調に、ワシのハートはこの2ヶ月あまり、くすぐりまくられておりました。

若い若いと思っていた彼女も、いつの間にか26歳。「Utada」としての前作『Exodus』をリリースしたのが04年9月でしたから、約4年半ぶりの作品。21歳でアメリカの市場にガチンコ勝負を挑んだ前作の、ある意味成功、ある意味失敗を踏まえて、今回は「売ってみせましょう」的な意欲ムンムンな作品に仕上がっています。

プロデューサーに、NE-YOを手がけた2人組ユニット「Stargate」と、Rihannaの大ヒット曲『Umbrella』で一躍名を挙げた「Tricky Stewart」を迎え、バラード調にしっとりと聴かせる曲はスターゲイト、アップテンポで仕掛けのある曲はトリッキーという具合に、適材適所の配陣です。

全体的に内向的な印象のあった前作に比べると、今回のアルバムは、グッと軽くて陽気な雰囲気があります。「Photoshop」「Godiva」「Winona Ryder」「MySpace」「BlackBerry」などなど、固有名詞や流行りの単語などを織り交ぜた歌詞も秀逸で、特にトリッキーとの仕事では、今までの宇多田ヒカルにはなかった、なんというか「奔放さ」的な部分が実を結んでいておもろいです。個人的には最後を飾る「Me Muero」(スペイン語で「死んじゃいそう!」)でノックアウトされました。気怠げでシニカルで、ちょっと疲れたバツイチ26歳の女がそこにいます。いい意味で、いい意味で。

このアルバムがアメリカで成功するかどうかは、運とマーケティングに因るところでしょうが、クオリティ的には全然アリだと思います。ただ基本的に「分かりやすさ」が好まれる米市場においては、爆発的な大ヒットというよりは、一部の違いの分かる玄人好みの人たちの間で、徐々に名が売れていくような気がします。つうか、そういう風に売れていってほしい。惜しむべくは、ジャケットか。なんじゃこのフォントは。ワシにやらせろ、ヒカルちゃん。


タグ:2009年
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