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【無人島192日目】Bonnie Raitt "I Can't Make You Love Me" [CD]

Luck of the Draw

Luck of the Draw

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 1991/08/15
  • メディア: CD

192日目。あまり観ている人もいないかと思うのですが、最近ボクの中でブームになっているのが、MTVで放映されている『A Shot at Love with Tila Tequila』というアメリカのリアリティ番組。バイ・セクシャルを公言しているティラ・テキーラというモデルさんが、男女16人ずつ計32人の候補を集め、自分の恋人探しをするという企画。性別という枠を超え、男性でも女性でも同じ土俵に立ってティラ・テキーラの恋人の座を狙うという、新鮮つうかなんというか、時代は変わったねえと思わせる斬新な番組でございます。ティラ自身が毎週数名ずつ脱落者を選ぶルールなのですが、これが毎回なかなかのドラマで、いい歳をしてこんなモノを真剣に観ているのはいかがなものかとは思いつつ、実はかなり楽しみにしておるのです。


突然ですが、ワシの敬愛する女性シンガーの中に、Bonnie Raittというアメリカ人のブルース・シンガーがおります。49年生まれですから今年還暦を迎えるワケですが、まだまだバリバリの現役で、日本人でいうところの夏木マリを彷彿とさせる色気とカッコ良さを持つ女性であります。

彼女がその名を一躍世に馳せたのは、80年代に活躍したファンク・バンド、Was (Not Was)のリーダー、Don Wasがプロデュースした89年のアルバム『Nick of Time』で、彼女はこのアルバムで初の全米アルバムチャート1位を獲得し、翌年のグラミーで3部門に輝きます。続く91年のアルバム『Luck of the Draw』も大ヒットし、このアルバムでもグラミーを獲得。その後もコンスタントにアルバムを発表し、今やすっかりブルース・ロック界の大御所的な存在であります。

彼女の代表作であり、最も有名な曲と言われるのが『Luck of the Draw』に収録された『I Can't Make You Love Me』という歌。George MichaelやPrinceなど、多くのアーティストがカバーしているのでご存知の方も多いでしょう。







灯りを消してください
ベッドに横になってください
私の頭の中の雑音を消して

一緒に横たわってください
もう嘘はつかないでください
強く抱きしめてください
適当に慰めたりしないで
適当に慰めたりしないで

惚れさせることなんてできないです
あなたにその気がないなら
あなたの心が感じないなら
私を感じさせることはできないです

この暗闇の中で最後の時に
あなたと心を添わせて何かを感じたい
でもできないですね
あなたはなにも感じていないのだから

惚れさせることなんてできないです
あなたにその気がないなら

目を閉じれば見えなくなります
抱きしめあっていても感じられない
あなたの愛が見えなくなります

朝が来れば終わってしまう
だからその時まで時間をください
諦めきれるまでの時間を
諦めきれるまでの時間を

惚れさせることなんてできないです
あなたにその気がないなら
だからもうがんばらなくていいです




この曲を書いたのは元プロ・アメフト選手という経歴を持つコンポーザー、Mike Reid。彼はあるニュース記事からこの曲のヒントを得たと言われています。それはある男が失恋をし、酒に溺れ泥酔したのち、自分をフッた彼女の車に向かって発砲したという事件。当然男は逮捕され裁判を受けたワケですが、判決が出た時に裁判官からの「この事件を通して君が学んだことは?」という質問に対して、男は「You can't make a woman love you if she don't.(彼女にその気がないなら、俺のことを惚れさせるなんて、土台ムリだったってことです)」と答えたのだそう。

ティラ・テキーラの愛を獲得するために右往左往する候補者の様子は、端から見ていると滑稽でバカバカしいほどなのですが、一番人間性が出るのは候補から落とされた、つまりティラにフラれた直後の反応。素直に負けを認めて去っていく者もいれば、泣き出して暴れ、他人に逆恨みしたりする往生際の悪い者もおります。そして最後には誰もが「彼女に自分を惚れさせることができなかった」というやるせなさと無力感にうなだれながら、ティラの前から消えていきます。

「愛する者に愛してもらえなかった」。誰もが一度は経験するであろう「失恋」という暗い諦念のようなものを、美化するのではなくただ事実として、いくつになっても、どんなカタチでも、どんなにカッコつけても、「失恋」とはどうしようもなくみじめなモノなのだということを、その番組もこの歌もテーマにしているところが、おもろいなあと思うのです。


タグ:2009年
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