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【無人島249日目】前園直樹グループ "東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。" [CD]

火をつける。前園直樹グループ第一集。

火をつける。前園直樹グループ第一集。

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: うたとことば。
  • 発売日: 2009/12/09
  • メディア: CD

249日目。本日東京は、今年二度目の雪が降っておりました。寒いし、電車は遅れるし、足下はぐじゅぐじゅだしで、生活上は面倒なことばかりなのですが、「雪」=「遊べる」という子供の頃からのすり込みなのでしょうか、ボクは未だに雪が降るとワクワクします。朝カーテンを開けて雪が降っていると、四十半ばにして「わぁ!雪だぁ!」と声が出てしまいます。今日はそんな、雪ごときで自分を抑制できずに、一人きりで声を上げてしまう危ない四十路のオッサンが、雪の日にあなたと一緒に聴きたいおすすめソングをご紹介します。(←怖い)


雪をモチーフにした歌は古今東西、星の数ほどあります。日本でもクリスマスソングを抜きにしても、古くは『雪の降るまちを』『なごり雪』『雪が降る』、近年では『粉雪』『海雪』『雪の華』などなど、タイトルに「雪」という文字が含まれている歌だけでも、たくさん思い当たりますな。『北の宿から』や『津軽海峡冬景色』などの演歌の名曲も、雪の降る日が舞台になっております。傾向的には、誰かとのお別れだったり、一人旅だったり、報われない恋の歌だったりするものが多いようです。面積のほぼ半分が豪雪地帯と呼ばれる日本において、雪という演出は、ロマンチックなだけというワケにはいかないのでしょう。







東京の街に雪が降る日
ふたりの恋は終わったの
別にけんかをしたワケでもない
けれども恋は消えていった

東京の街に風が吹く日
ふたりは出逢って恋に落ちた
どこにでもいる男の子と
女の子との恋だった

悲しくもないし
つらくもないし
けれどもそれが
すこし 悲しい

小さな電球がふいに切れた
そんなふうに 恋は消えた

悲しくもないし
つらくもないし
けれどもそれが
すこし 悲しい

東京の雪は珍しくて
なにもかもがきれいに見えた
夜が明けて窓を開けると
いつの間にか雪はやんでた

だけどわたし ほんのひととき
あなたを愛してしあわせだった


タイトルは『東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。』で、作詞曲は元「ピチカート・ファイブ」の小西康陽です。いかにも彼らしい、オシャレでありながら、斬新で生々しい詩世界です。

「悲しくもないし、つらくもない」というリフレインが、わたし(主人公)の「絶望」を感じさせます。「あなたを愛してしあわせだった」わたしは、「愛されて」はいなかったのでしょうか。繰り返し聴くうちに、なかなか溶けない根雪のような、ひんやりとした孤独を感じさせるのです。

もともとこの曲は小西康陽が、2008年に「paris match」のボーカルであるミズノマリのために書き下ろしたものです。小西氏はミズノマリを「現在の日本で最高の女性シンガーの一人」と述べるなど、高く評価しており、この曲も小西氏が彼女への提供を熱望して実現したとのこと。小西氏が08年にプロデュースしたコンピレーション・アルバム『うたとギター。ピアノ。ことば。』に、ミズノマリのバージョンは収録されております。

上につけたPVは、その1年後に「前園直樹グループ」がカバーしたバージョンです。「前園直樹グループ」とは、ピアノに前述の小西康陽、ウッドベースの羽立光孝、そしてボーカルの前園直樹のスリーピースバンドで、オリジナル曲は一切やらず、「日本に残されているうたを新たに編曲して、新たに歌う」をテーマに、08年に結成されたバンドです。現在までにアルバムを2枚リリースしていますが、どちらも選曲の妙が光る名盤です。

東京の雪はもう、やんだようです。


タグ:2013年
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