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【無人島266日目】Sam Smith "In The Lonely Hour" [CD]

In the Lonely Hour

In the Lonely Hour

  • アーティスト: Sam Smith
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: CD

266日目。先日何を間違ったのか、うら若い女性の恋愛トークに混ぜていただくという貴重なオポチュニティに恵まれました。主役は失恋ホヤホヤの20代の女性。元カレとは円満にお別れした体(てい)になっているのですが、実はまだまだ未練ドップリ。なのに元カレはすでに新しい恋に向けて動き始めていて、彼女は「別れても親友でいよう」という約束のもと、その新しい恋の相談に乗っちゃったりしているのだとか。自分のピエロっぷりを面白おかしく語りながらも、その胸の内側で吹き荒れるゴーゴーという嵐の音が、ボクの耳にも確かに聞こえました。ここはアダルトな男性として、気の利いたアドバイスの1つや2つかましたいところなのですが、いかんせんヘタレ、慰めの言葉も激励の喝も思い浮かばず、「わかるぅ〜」などという女子力高めの相槌をうちまくるくらいしかできないテイタラクなのでした。


閑話休題。「Sam Smith(サム・スミス)」というシンガーをみなさんはご存知でしょうか? ここ直近のボクの超お気に入りでございます。なにはともあれ、まずは彼の歌声を聴いていただきましょう。





深くしなやかなファルセット。エイミー・ワインハウスにも似た、心の内側のほうを撫でてくるようなソウルフルな声。最初のワンフレーズだけで空気を自分の世界にしてしまう求心力。素晴らしいですな。

サム・スミス君はロンドン出身の若干22歳のシンガー・ソングライター。2012年から「Disclosure」や「Naughty Boy」といった英国のミュージシャンの楽曲に客演シンガーとして参加しておりましたが、昨年念願のソロ・デビュー。シングルとミニアルバムを発表し、12月に発表された英国のグラミー賞にあたる「BRIT Awards」で批評家賞を受賞。今年1月には有望な新人に贈られるBBCの「Sound of 2014」で1位に選出されました。

批評家や同業者からの評価が高く、ケイティ・ペリーはツイッターで「サムにはうぬぼれてほしくないけど、彼は男性版のアデルになれるわ」とつぶやき、そのアデルは同じくツイッターで彼の歌を「So So Good」と絶賛。本国ではすでに「Adele 2.0」とか「Male Adele」などと呼ばれています。

そんなサム君が満を持して先月末にドロップしたファースト・ソロ・アルバムが『In The Lonely Hour』。本人曰く「21歳だったボクの日記のような作品」とのことで、昨年彼が経験した「失恋」がテーマになっているのだとか。「愛されるはずのない人に恋をしてしまったんだ。愛とはなにか、報われない愛がどれほど辛く強烈なものか、そういったことがテーマなんだ」。





上のPVを見ているとなんとなく察しがつきますが、サム君はつい2週間ほど前に自分がゲイだとメディアにカミングアウトしました。でも彼の歌は年齢や性別を超越し、誰もが一度は経験したことのある「失恋」という絶望を、深く暗く、そして圧倒的な美しさを込めて歌い上げています。それは深い井戸の底からの見上げる満天の夜空のように、凍えるほど孤独で悲痛でもなお、どこか甘く官能的な世界です。いつの時代も失恋はみじめで滑稽だけれども、そこからしか見えないキレイな景色もあるんだよ。冒頭の彼女にボクはそんなふうに言ってあげればよかったなと、サム君の歌を聴きながら思ったのです。


タグ:2014年
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