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【無人島267日目】Keith Jarrett / Charlie Haden "Last Dance" [CD]

Last Dance

Last Dance

  • アーティスト: Keith Jarrett / Charlie Haden
  • 出版社/メーカー: Ecm Records
  • 発売日: 2014/06/12
  • メディア: CD

267日目。当初このブログはあるポータルの企画から始まりました。2006年にその企画が終了するにあたり一度ブログもクローズし、その後ドメインを変更して再開したのですが、その一旦終了の最後のレビューで、ボクはチャーリー・ヘイデンとパット・メセニーの『Beyond The Missouri Sky』というアルバムを紹介しました。当時まだブログが再開することも決まっていなかったので、最後のレビューでは「本気でオレが無人島に持っていくCDってなんだろう?」と自問した末に、このアルバムを選んだのを覚えています。あれから8年経ちましたが、いまだにボクはこのCDを選ぶと思います。なんなら墓に入れてもいい。そのくらい好きなのです。


その『Beyond The Missouri Sky』を制作したジャズ・ベーシストの巨匠・チャーリー・ヘイデン氏が、今月11日にご他界されました。享年76歳。ご自身がリーダーもしくは所属したバンド名義で出したアルバムだけでも50枚以上、ジョン・コルトレーンやキース・ジャレット、パット・メセニーら、他のアーティストとの共演もしくは客演も含めれば、おおよそ200枚近くのアルバムに名前がクレジットされた多作な音楽家で、グラミー賞も3度受賞しております。彼が奏でるコントラバスの特徴は、朴訥として温かく、ノスタルジックで慈悲深い、アメリカの良心のような音色。ジャンルや国籍や年代を超えて、懐かしさと心地よさを覚える、肌触りのよいコットンのような演奏なのです。

『Beyond The Missouri Sky』以外でボクが好きなチャーリー・ヘイデン氏のアルバムは、99年発表の『The Art Of The Song』。このアルバムの最後の曲で、彼はボーカルを務めているのですが、その歌声がなんとも染みるのです。「歌が上手い」とは、ピッチや声量うんぬんでは計れないものなのだなあと、この歌声を聴くと改めて思います。



2008年に発表した、家族や親しい友人らを共に制作された『Rumbling Boy』というアルバムの中でも、彼はその美声を聴かせてくれています。19世紀のアメリカのフォークソング『広大なるミズーリを越えて』のカバーで、望郷と追懐をテーマにしたラブソングです。この歌を聴くたびにボクは、ミズーリなんて行ったこともないくせに、ミズーリに帰りたくなります。



彼の最後の作品となったのは、つい先月リリースされたキース・ジャレット氏との共同名義アルバム『Last Dance』。しかしこれは2007年に録音されたCD未収録音源の編集盤で、ここ数年間闘病生活を続けていたはずのヘイデン氏は、アルバム製作にはたぶん関わっておられないでしょう。勝手な想像ですが、半世紀近く一緒にプレイをしてきた朋友のジャレット氏が、病床のヘイデン氏のためだけに編集した、プライベートな手紙のようなアルバムではないかと思うのです。「ラストダンス」というタイトルからして、もうじきお別れが来ることも、ジャレット氏は承知していたのでしょう。



「チャーリーと一緒に演奏していると、まるで二人で歌っているみたいだったんだ」(キース・ジャレット)

チャーリーさん。あなたが遺してくれたアルバムは、ボクの「無人島に持っていくCDリスト」の一番上にあります。だからなんだ?って話ですが、これからもずっとです。心からご冥福を。R.I.P.


タグ:2014年
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