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【無人島286日目】Joe Henry "Civilians" [CD]

Civilians

Civilians

  • アーティスト: Joe Henry
  • 出版社/メーカー: Anti
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD

286日目。週末、さいたまスーパーアリーナで「マドンナ」さんのコンサートを拝見させていただきました。1982年に『Burning Up』で世の男性のド肝をはじめとしたあらゆるモノをヌキまくった現代のセックス・シンボルも、御年57歳。昨年見たマライアさんのトラウマもあり、および腰半分、怖いものみたさ半分だったのですが、いやはやさすがはマドンナさん。サーカス団かと見紛う曲芸軽業ダンサーを1ダースほど引き連れて現れたそのお姿は、スタイルもアティチュードも見事にご健在。約2時間のステージを、ほぼ(多分半分くらい)生歌でこなし、ダンサーと絡みつつ早着替えしてみたり、装置に乗ってあちこち移動してみたり、観客にフレンドリーに話しかけてみたりと、まったく飽きさせない演出で、開演2時間遅れなどなんのその、これぞスーパースター!なステージなのでした。


ニューアルバムからの楽曲ばかりかと思いきや、『Burning Up』を歌い、『True Blue』を歌い、『Like A Virgin』を歌いと、四十路のオジさんには胸に迫るセットリストだったのですが、その日ステージ中盤で「毎回1曲だけ違う曲をやってるのよ」というMCの後、歌ってくれたのが2000年に発表したアルバム『MUSIC』からのシングル曲『Don’t Tell Me』。数あるマドンナさんの楽曲の中でも、ボクはこの曲が一番好き。懐かしくもカッコブーなPVがこちらです。





この曲はもともと、「ジョー・ヘンリー(Joe Henry)」というアメリカのシンガーソングライターが作った『Stop』という楽曲がベースになっています。ジョーさんの奥さんは、なんとマドンナさんの実妹で、つまり彼はマドンナさんの義弟にあたります。

ジョーさんが作った『Stop』という楽曲を聴いた奥さん(マドンナ妹)が「この曲、姉さんに似合うから、送ってあげてよ」と言ったのだそう。でもジョーさんは「そうかあ?」と放っておいたのを、奥さんが勝手にマドンナ姉さんに送ったところ、アレンジを大幅に変えてレコーディングされたとのこと。その原曲がこちらです。





歌詞はほぼ同じですが、ジョーさんが「そうかあ?」と思ったのも頷けるほど、タンゴ調の渋チンなこの楽曲を、「これは姉さんに合う!」とピンと来たマドンナ妹の感性に驚きます。結果、この曲の成功を機に、ジョーさんとマドンナさんはその後『Jump』『Falling Free』などで共作するパートナーとなります。

これだけ書くとまるで、マドンナ姉さんの七光りで注目されたソングライターみたいに聞こえてしまいますが、ジョーさんは元々ルーツ・ミュージック(アメリカ南部の民族音楽)の音楽家として、エイミー・マン(Aimee Mann)やエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)、ボニー・レイット(Bonnie Raitt)らのプロデューサーとして有名だったお方。ご自身でも13枚のアルバムを出していらっしゃって、来日公演の経験もある実力派ミュージシャンです。

ボクは彼が2007年に発表した『Civilians』というアルバムがとても好きで、今日はマドンナさんのレビューかと見せかけて、実はジョーさんの紹介です。特に『Civilians』のラストの収められた『God Only Knows』という楽曲は秀逸。





暗闇が地に落ちて
一日がよろめくように去っていく
静かな終末が来ている
いい頃合いなのかも知れない

最良を守り続ける心を
僕たちは失くしてしまった

時が憤怒の表情で
暗い目を過去に向ける
何を慈悲と呼ぶのだろう
許されないことばかり繰り返している

まるで力と意志だけが正しさのように
そのいずれかが自由をもたらすかのように

恋人たちが笑いながら行き過ぎる
手を振りながら通りに消えてゆく
あんな時が僕らにもあったかな?
あんなに甘いことはなかったね

でも世界は美しい
退く時はいつも
最悪の時でも美しい
ここから抜け出せるのであれば

私たちが出来うることは神だけが知る
神が許す以上でも以下でもなく
私たちが良しとすることは神だけが知る
そして術を持たない私たちを神だけが知る

でも僕は愛をこめて君の光になろう
そして祈ろう それだけで十分だと
でも僕は愛をこめて君の光になろうとしてきた
これからも祈ろう それだけで十分だと


ボクの拙訳では伝わりませんが、たぶん宗教と死生観をテーマにしたリリックなのでしょう。シンプルなピアノとウッドベースのリフレインが、繰り返される「祈り」のようでとても素敵です。

たびたび宗教的なテーマを楽曲のモチーフにし、カトリック教会とやんや揉めているマドンナさんは、つまり信仰心の篤い方なのでしょう。だからこそ、この義弟の作る楽曲は彼女の琴線に触れるのだろうし、血は繋がらなくとも、そしてその表現方法は違っても、実はなかなかの「似た者姉弟」なのかもしれません。


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