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【無人島106日目】東直子 "とりつくしま" [BOOK]

とりつくしま

とりつくしま

  • 作者: 東 直子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/05/07
  • メディア: 単行本

106日目。先日、入院している友人を見舞いに、新宿にある大きな大学病院まで行ってきました。ボクは生まれてこのかた、大病も大怪我もしたことがなく、入院という経験がないのでうまく語れませんが、あの大きな病院の持つ空気っつうのは、独特なものがありますな。例えるなら、戦場になった国みたい。戦場も行ったことないけど。しかもドンパチやってるその現場ではなく、ドンパチが遠くに聞こえるくらいの距離にある街って感じ。どうしようもなく流れてくる「死」の匂いに怯えながら、誰もが平静を装いつつ、心で強く「生」を願っている場所。でもきっと願い叶わず、この病院で逝ってしまった人たちもたくさんいるワケで、そう考えると、古戦場や城跡などが持つ、静謐さと生臭さを感じました。病院で死ぬ人が9割以上と言われる昨今、いずれは自分もこの中に入ることになるのかと思うと、ただ見舞いに来ただけなのに、なんとも暗鬱な気分になったり。死ぬってなんだろう? 生きるってなんだ?

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タグ:2007年

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