【無人島199日目】藤谷治 "船に乗れ!" [BOOK]
199日目。ボクが高校生だったころ、ちょうど世間はバブル景気に湧き始めており、テレビでは「おニャン子クラブ」のメンバーが増殖し、大相撲では千代の富士が記録的連勝を成し遂げ、遠い国では原子力発電所が爆発したりしておりました。その頃のボクは特に何かに夢中になることもなく、ただぼんやりと、でもそれなりに日々を楽しく過ごしておりました。無茶をしなければ大学までエスカレートでいけるという環境の中、勉強にも遊びにもとことん突き進むことなく、友達とピンポンをしたりファミコンをしたり、たまに煙草を吸って悪ぶったりしていました。今ではもう、高校生だった頃のことを思い出すことはあまりないし、正直あまりよく覚えてもいませんが、あの頃は「高校生」でいられるのが、人生の中でたった3年間しかないなんて、分かっていなかったのだろうと思うのです。
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