【無人島291日目】平野啓一郎 "マチネの終わりに" [BOOK]
291日目。「ハチくんのこと……好きって言ったら……困る?」ブーッ!(←鼻血) ただいま公開中の映画『青空エール』が悶絶するほど気になるのですが、47歳のチョンガーが一人で観に行ったら周りにご迷惑を掛けてしまいそうなので、グッと我慢してYouTubeで予告編をリピートしている2016年の夏の終わり。皆様はいかがお過ごしでしょうか? 10代の頃の恋なんて、すでに幼少期の記憶を辿るのと同じくくらい深い靄の中に霞んでいるのですが、「他人を好きになる」という生まれて初めての感情に、戸惑い、持て余し、上手く処理できずに身悶えてばかりの、甘酸っぱいというよりは苦み走った思い出が、ぼんやり見え隠れしております。そしてそれは、10代に限った話ではなく、大人になっても(もしかすると大人になればなるほど)、さらに持て余し右往左往させられる感情だったりもします。この小説を読むと、そんなことを考えさせられます。