【無人島293日目】西川美和 "永い言い訳" [BOOK]
293日目。「性善説」「性悪説」という言葉があります。「人は生まれつきは善だが、成長すると悪行を学ぶ!」と説いた孟子さんと、「人は生まれつきは悪だが、成長すると善行を学ぶ!」と説いた荀子さん。結局両者とも「だから努力して良い人間になりなさい!」という教えなので、どちらが良い悪いの問題ではないのですが、個人的にボク自身は「性悪派」の人間ではないかと思うのです。ワガママだし、利己的だし、甘ったれだし、努力が嫌いで、ええかっこしいで、見栄っ張り。なんの縛りのない場所に生まれていたら、超自分勝手に生きてしまいそうだし、ルールや法律や人の目があるからこそ、ブーブー文句を垂れながらも、どうにか人並みに自分を律せられているタイプなのです。ダメダメ47歳。
タグ:2016年
【無人島292日目】宇多田ヒカル "道" [CD]
292日目。先週、稀代の天才・宇多田ヒカルちゃんが6枚目のアルバム『Fantôme』をドロップされました。前作『Heart Station』から約8年。年齢で言えば25歳から33歳までの「女盛り」に、経験し、吸収し、咀嚼し、発酵させたインプットの集大成。お母様へのレクイエムあり、男女のすれ違いあり、同性への秘めた恋あり、主婦の危険なエスケイプありの、枠に捉われないバラエティに富んだ風景を、印象派を思わせる斬新なアングルで描いた11曲。レコーディングには、アデルやサム・スミス、エイミー・ワインハウスらを手がけたエンジニアたちを起用しているのだとか。良い意味でクセのあるリリックと、唯一無二の歌声を持つという点では、確かにアデル、サム、エイミー&ヒカルちゃんのコモンセンスは近いのかもしれません。