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【無人島55日目】中島みゆき "ララバイSINGER" [CD]

ララバイSINGER

ララバイSINGER

  • アーティスト: 中島みゆき, 瀬尾一三, 中村哲
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/11/22
  • メディア: CD


55日目。生まれて初めて自分で買ったレコードってなんですか? ボクは、オフコースのシングル「さよなら」。当時10歳。♪もう終わりだね〜キミが小さく見える〜って、オレってばおませさん。そんで生まれて初めて買ったアルバムは、中島みゆきの「臨月」。当時11歳。♪悲しみ〜ばかり見えるから〜この目を〜つぶすナイフがほしい〜って、オレってば早熟ボーイ。つうか、どんなガキやねん。もちろん100%理解はできていなかっただろうけど、11歳なりになにかしらのメッセージを受け取っていたのは確かで、だからこそ中島みゆきはそのあともずっと聴き続けたし、なんだかんだ今でも聴いてます。いまや完熟ボーイ。ボーイちゃうやろ。

今週、中島みゆきの通算34作目のニューアルバム「ララバイSINGER」が発売されました。最近はライフワークである「夜会」のために書き下ろした曲のアルバムとか、セルフカバー集なんかが続いていたので、新曲書き下ろしオリジナルアルバムとしては、3年ぶりの新作です。TOKIOに提供した「宙船」のセルフカーバーや、デビュー曲「アザミ嬢のララバイ」のアンサーソングにして表題曲「ララバイSINGER」を含む、全12曲。

この人の歌を大きなジャンルで分けると3つあって、1つはかつて「ネクラ」と評されていた「失恋ソング」、2つ目が「夜会」の曲に代表されるちょっと不思議な情景や起こった出来事を綴った「物語ソング」、3つ目が「あんた、ええこと言うなあ」と唸らされる「人生ソング」。もちろんこの分類に入らない曲もたくさんありますが、おおまかに分けるとそんな感じ。

かつてのアルバムは「失恋ソング」の比重が最も大きかったのですが、近年は「物語ソング」や「人生ソング」の曲が多くなってきて、今回のアルバムではあからさまな「失恋ソング」は1曲もありません。まあ、デビューから31年、御年54歳の彼女には「失恋」よりも「人生」のほうが、より大きなテーマになってきているのは、当然のことかもしれません。

でも、どのジャンルでも共通していえるのは、この人の歌に出てくる主人公は、みんな不器用で融通の利かないタイプ。道に倒れて誰かの名前を叫んじゃったり、好きな人が泣いているとポプラの枝になっちゃうような、格好つけたり狙ったりするのが苦手な人。

今回のアルバムのメイン曲ともいえる「重き荷を負いて」もジャンル的には「人生ソング」ですが、やっぱり主人公はブッキー君(←死語?)。この歌をいじめや自殺問題を扱った社会派ソングと受け止める向きもあるようですが、ボクは純粋に、これは中島みゆき自身の歌なんだと思います。きっとこういう、ホントに不器用な人なんでしょう。

足元の石くれをよけるのが精一杯
道を選ぶ余裕もなく
自分を選ぶ余裕もなく
目にしみる汗の粒をぬぐうのが精一杯
風を聴く余裕もなく
人を聴く余裕もなく
まだ空は見えないか? 
まだ星は見えないか? 
ふり仰ぎふり仰ぎ、そのつど転けながら
重き荷を負いて、坂道を昇りゆく者ひとつ
重き荷も坂も、他人には何ひとつ見えはしない
がんばってから死にたいな
がんばってから死にたいな
這いあがれ、這いあがれと自分を呼びながら

また躓いた。また転んだ。ベソをかきそうになった時に聴こえる歌。「ねえ。あんただけじゃないんだよ。わかるかい?」。そう言って、ニヤッと笑うみゆきさんの笑顔にひかれ、ずっと聴き続けてるんでしょうな。完熟ボーイになって、やっと分かった気がします。ボーイちゃうけど。


タグ:2006年
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