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【無人島230日目】Dido and A.R. Rahman "If I Rise" [CD]

Soundtrack

Soundtrack

  • アーティスト: A.R. Rahman
  • 出版社/メーカー: Interscope Records
  • 発売日: 2010/11/22
  • メディア: CD

230日目。週末、ダニー・ボイル監督作の新作映画『127時間』を観てきました。『スラムドッグ$ミリオネア』で09年のアカデミー賞を総ナメしたダニー・ボイルが、今回も斬新で独特な世界を見事に切り取っております。目を覆うようなシーンが何度も出てきましたが、不覚にもボクはラストで落涙してしまいました。子供や動物を扱った映画でまんまと泣かされてしまうことはありますが、分かりやすい「泣きドコロ」もなく、悲しいエンディングですらないのに、訳の分からない感情を突き動かされて、知らないうちに涙がだくだくに流れておりました。なんだか、心を裸に剥かれて乱暴された気がする。バカにしないでっ!訴えてやるんだからっ!


ストーリーは、ジェームズ・フランコ演じるアウトドア好きの若い兄ちゃんが、調子に乗って峡谷を走り回っていたら、途中で岩と一緒に落下して壁と岩に腕を挟まれ、誰も通らないだろう洞穴のような隙間に、文字通り釘付けにされちゃう、というお話。

これからご覧になる方のために、これ以上の説明は止しますが、本作はアーロン・ラルストン氏というアメリカの登山家が、03年に実際に経験した出来事の映画化で、ラルストン氏自身が「ドキュメンタリーに近いほど正確」と評したほど、リアルで酷薄な映像です。全く予備知識のない方は、下の予告編をどうぞ。





ボクはこの映画を観て、93年に公開されたイーサン・ホーク主演映画『生きてこそ』を思い出しました。雪山に墜落したチャーター便の乗客たちが、死んだ仲間の肉を食べて生き延びる姿を描いたその映画は、「で、アンタなら食う?」という意地悪な題目を観客に突きつける問題作でしたが、今回の『127時間』は「人は生き延びなければならない」という命題と、「そこまでして生きるほどの人生か?」というアンチテーゼの狭間を、主人公と一緒に観客もさまよい歩くことになるのです。

ラストの方のシーンで印象的に流れるのは、イギリスのシンガー・ソングライター「Dido」とインドの作曲家「A.R.ラフマーン」の共作『If I Rise』。本年度アカデミー賞で最優秀オリジナル主題歌賞にノミネートされたこの歌は、まるで『Amazing Grace』のような静謐なメロディーに、「もしこの谷底からもう一度上がれたら(If I Rise)」という主人公の心情を歌詞に乗せています。サントラにはエンディングで使われた伴奏付きのバージョンが収録されていますが、劇中のアカペラ・バージョンは入っていません。ちょうどその音源をA.R.ラフマーン氏のサイトで見つけたので、つけておきましょう。


07- If I Rise - Dido, AR Rahman (Vocal) by singles@rahmanism.com


正直言うと、ボクはこの映画のクライマックスとも言える大事なシーンで、思わず目を閉じてしまいました。あんなに観客に痛みを伴わせる映画のシーンは、ボクは今まで観たことがありませんでした。あのシーンを直視できなかったボクは、多分あの場所で死んでしまう人間なのでしょう。エンディングでは主人公の決断に感動しつつ、きっと同じ行動は取れないだろう自分のふがいなさに、泣けてしまったのだと思うのです。やっぱりなんだか、心を乱暴された気がする。バカにしないでっ!訴えてやるっ!


タグ:2011年
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