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【無人島111日目】Elbosco "Angelis" [CD]

永遠のニルヴァーナ

永遠のニルヴァーナ

  • アーティスト: エルボスコ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/10/29
  • メディア: CD


111日目。どうも山手線にガキが多いと思ったら、夏休みですな。通勤中、車内を頭にピカチュウのサンバインザーをつけた子供が、スタンプラリーの台紙を片手に駆けずり回っております。顔は好々爺のごとき微笑みを浮かべながら、そっと足を引っかけてやりたくなる。ビッターン転んだら、「おやおや、大丈夫かい?」なんて言いながら、助けるふりでピカチュウのお面を取り上げ、耳の先をくりぬいてライチュウにしてやりたくなる。どんな通なイタズラやねん。つか、どんだけストレス溜まってんねん。いかんいかん、危ない危ない、通報される通報される。こんな時は、子供の歌声も美しい、このアルバムでも聴いておきましょう。

スペインはマドリードにある、エル・エスコリアル修道院の生徒たちによる、「ヴォーチェ・ブランカ」と言う名の児童合唱団の歌声に、打ち込みと大人のボーカルを被せて、エレクトロニカ・ポップスに仕上げたのが、このElboscoというプロジェクトのアルバム「Angelis〜永遠のニルヴァーナ」。95年の作品です。

特に1曲目の「Nirvana」は、多くの映画サントラ、はたまた「ヒーリング」とか「癒し」などとタイトルされたコンピレーション・アルバムにも収録されているので、聴いたことのある人もいるかもしれません。YouTubeで見つけたので、聴いてみてください。



このアルバムの面白いところは、グレゴリアン・チャントのような荘厳さをまったく持たず、修道院の子供たちの歌声を「素材」として扱っているところ。こんなポップスポップスしちゃって、あとで怒られなかった?って心配しちゃうくらい、軽くて安っぽい仕上がりです。いい意味で。

そもそも、この「Nirvana」というこの歌の歌詞ですら、かなり意味不明。子供たちの歌うスペイン語のリフレインは、ルカによる福音書の言葉のスペイン語訳なのですが、それに被さる女性の歌声は、「すべての言葉はゴッドから生まれたのよ〜」「そうよ、仏陀よ〜」「そうなの、アッラーよ〜」と、かなり支離滅裂で、宗教的にボーダレス。そもそも「Nirvana」は仏教用語で「涅槃」の意味。いいのか? 怒られなかった?

まあ、宗教なんて言語の違いほどのもので、根ざしているものは同じなんだよ、っていう意味に取れなくもないし、子供たちにとって大切なものは、なにを信じるかではなく、どれだけ信じられるのかなのだと考えれば、この歌の語る支離滅裂さも、意味のないものではないかもしれません。

ポケモンでも、ドラえもんでも、ガンダムでもなんでもよくて、子供たちにとって本当に大事なのは、何かに夢中になって、その何かの中に、いずれアイデン&ティティなどと呼ばれるものの種を、今から見つけておくことなのかも知れません。まあ、だからと言って、車内を全力疾走してもいいとは言わんがね。おい、そこのガキ! ピカチュウ・サンバイザー、オレにくれ!(←本当はほしい)


タグ:2007年
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