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【無人島206日目】竹原ピストル "BOY" [CD]

BOY(ボーイ)

BOY(ボーイ)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ペルメージ・レコード
  • 発売日: 2010/06/23
  • メディア: CD

206日目。

人は何か一つくらい誇れるもの持っている
何でもいい、それを見つけなさい
勉強が駄目だったら、運動がある
両方駄目だったら、君には優しさがある
夢をもて、目的をもて、やれば出来る
こんな言葉に騙されるな、何も無くてもいいんだ
人は生まれて、生きて、死ぬ
これだけでたいしたもんだ

北野武氏の詩集『僕は馬鹿になった』に収録されている『騙されるな』という詩です。厳しくて優しい言葉ですな。頑張れば夢は叶う。そんな無責任でいい加減な言葉に騙されちゃいけない。頑張ったってどうにもならないことなんてたくさんある。つうか、どうにもならないことだらけでこの世の中はできている。ナンバーワンにもオンリーワンにもならなくていいよ。なにかひとつ、胸に誇れるものがあればいいんだよ、ブラザー。


閑話休題。このブログではもう何度も紹介してきた我らが「野狐禅」のボーカリスト・竹原ピストルが、昨年5月の電撃解散から1年余りにして、初のソロ・フルアルバム『BOY』をリリースします。店頭販売予定は今月23日からなのですが、今週からライブ会場での手売り販売が始まっており、ボクも早速購入してまいりました。

今回のアルバムでは3ピースバンド「HAND MADE SQUARE」のベーシスト・水野雄介を迎え、全国ソロライブ行脚の中で生まれた珠玉の12曲を、シンプルなアレンジでレコーディング。中島みゆきと前述の北野武(ビートたけし)のカバー2曲も納められていますが、オリジナルを壊さずに、だけど全く別の魂を歌に吹き込む、本家に遜色ない秀逸な作品になっております。

彼の描く歌は、「野狐禅」時代からコアな部分は変わっておりませんが、相方がいなくなった分、誰も止める人がいなくなってしまったのでしょう、すっかり独創的な独走状態になっております。雨粒の隙間をすり抜けてくようなそんなイメージのステップで、歌とポエムと日記の中間くらいのあたりを、彼なりのスタイルで走り続けております。


街が歪んでいるのか
俺たちが歪んでいるのか
多分どっちもなんだろう
どっちも歪んでいるんだろう

どの街の空よりもこの街の空が
特別眩しく映るのは
カラスたちがトボトボと
漆黒の翼を揺らすからだろう

BROTHER 肩組んで歩こうぜ
ほどけてしまわないように
そしてBROTHER 教えてやろうぜ
ヘタレにしか歌えない応援歌があるってことを

人とは違う生き方をしてやるんだって
人と同じことを思いながら
俺はただ生きて
ただ死んでいくんだろう

これしかできないのか
これしかやりたくないのか
自分でもよく分からないんだけど
一度くらいアイツにカッコいいとこみせたいな

BROTHER 肩組んで歩こうぜ
ほどけてしまわないように
そしてBROTHER 教えてやろうぜ
ボンクラにしか歌えないラブソングがあるってことを

(BROTHER)


ボクは彼の歌を聴いていると、なぜか短い映像作品を見せられているかのような、ビジュアル感を伴った感情がわき上がります。そして、その映像はどこか北野武氏の映画によく似ていると思うのです。露悪家で偏屈で大衆に媚びず、冗談が好きで女好きで友情に厚く、孤独を愛しながらもどこかで人の温もりを確かに信じているような、あのブルーの感じが。冒頭の詩と『BROTHER』という歌の歌詞は、多分同じようなことを言っているのでしょう。「アンタはアンタでいいんじゃねえか?」。そういう厳しくも優しい言葉なのです。


タグ:2010年
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