【無人島215日目】大貫妙子 & 坂本龍一 "UTAU" [CD]
215日目。向田邦子氏の有名なエッセイに『眠る盃』という短文があります。唱歌『荒城の月』の一節「巡る盃 影さして」を、「眠る盃 影さして」だと勘違いしていたという回想をベースに、戦前の家族の思い出を見事に描いた秀作です。特に子供の頃、夜遅くまで続いた宴会の後片付けを手伝った時にみた、盃に残った酒のゆらりとした感じを「眠っているよう」だと綴るその感性には、ハッとさせる鮮やかさを覚えます。ボクには彼女のようなセンスもボキャブラリーもないので、上手く伝えられる自信はありませんが、最近似たような体験があったのでちょっと書いてみます。
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